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2010年にアレクサンダー・テクニークと出会ったとき、体験レッスンを担当された先生の、動きの「のびやかさ」に惚れ惚れしたことを今でも覚えています。同じ人間とは思えない、違う力学で動く違う生き物のような。
ちょうどこの頃、学生の頃から悩まされていた潰瘍性大腸炎という原因不明の自己免疫疾患の症状がピークで、西洋医学の医師からは大腸の全摘出を勧められるくらい重症でした。直感的にこのままではマズイと生命の危機を感じその手術は受けず、代わりに漢方や鍼灸を試したり、食事や運動など日々の生活を見直していきました。
その中で一番効果があったと思えるのがアレクサンダー・テクニークでした。自分がひどくからだを緊張させていたことに気づき、少しずつそれをやめていくことが出来るようになり、それに伴い症状が和らいでいきました。生業のシステムエンジニアとして一日中椅子に座っていても、今ではほとんど症状が出なくなりました。
自分にとってアレクサンダー・テクニークは、生きていく上で欠かせない、日々とても役立つ具体的なメソッドである一方、つかめるようでつかめない感じや、哲学的な深遠さを感じることもあるのがおもしろく、生涯のつきあいになりそうです。
Body Chance (2017)
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